読書日記
■ 藤村の『夜明け前』を加賀乙彦氏は日本の近代小説の白眉、と評している(NHK人間大学テキスト「長編小説の楽しみ 世界の名作を読む」1994年10月から12月期)。一方、高島俊男氏は『お言葉ですが・・・』(文藝春秋1996年)で、この長編小説について**へ…
360 ■ 朝7時半ころからスタバ笹部店で司馬遼太郎の『空海の風景 下』(中公文庫)を読む。朝の店内にはパソコンに向かう人、ぼくと同じように本を読む人がいる。スマホを見ている人は思いのほか少ない。同じようなことをする人たちが占めるスタバの空間。そ…
■ 読んだ本を月末にまとめて載せる「ブックレビュー」をgooブログでずっと続けてきた。はてなブログで継続して今回がその224回目。 今月(6月)の読了本は8冊。『近代日本の地下水脈 Ⅰ 哲学なき軍事国家の悲劇』保坂正康(文春新書2024年)**なぜ日本は太…
朝カフェ読書@スタバ笹部店 2025.06.25 『空海の風景 上』(中公文庫1978年初版発行、2006年改版24刷発行)■ 司馬遼太郎の菜の花忌シンポジウム「空海の風景を読む」の様子がNHKテレビで放送された(2025.04.19)。国際日本文化研究センター教授 磯田道史さ…
池波正太郎の長編時代小説360■ 時代小説をあまり読んでこなかったこともあり、池波正太郎の時代小説を読んだことがなかった。人気を博す数多くの作品があるというのに・・・。で、『まんぞく まんぞく』(新潮文庫1990年6月25日発行、2023年2月25日48刷)が…
360 ■『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』加藤陽子(朝日出版社2016年8月10日初版第1刷発行、2021年8月20日初版第7刷発行)をようやく読み終えた。加藤陽子東大教授が2015年12月から2016年5月にかけて行った6回の連続講義。その講義を再構成し、大幅…
さびしい思い 母への思慕 ■ 『戦争まで』加藤陽子(朝日新聞社2016年)を中断、『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』梯 久美子(文春文庫2025年)を読んだ。今年は太平洋戦争関連本を読もうと思っているが、この評伝もその中に入る1冊。やなせたかしさ…
母と息子の愛情物語 ■ 四国松山といえば坊っちゃん。道後温泉駅前の広場にある坊っちゃんカラクリ時計を見ていて、ふと思った。坊っちゃんにとって清(きよ)はどういう存在だったんだろう・・・。 松山旅行(2024.01.10~01.12)から帰ってきて『坊っちゃん…
2025.06.11 ■ 2冊減って3冊増え、1冊減って1冊増え・・・。ここ数か月、一向に解消できなかった積読状態。昨日(11日)沢木耕太郎の『天路の旅人』上下2巻を読み終えて、残り3冊になった。(gooブログであれば、ここにスマイルマークをつけるけれど)『戦争ま…
■ 『天路の旅人 上 下』沢木耕太郎(新潮文庫2005年)を読み終えた。下巻は一気読み。本好きで良かったと思う。そうでなかったら、ボリュームのある本書を読むこともなく、八年間の信じられないほどの濃密な旅をした西川一三という人のことも知らなかっただ…
■ 沢木耕太郎といえば『深夜特急』(新潮社)。第1便(第1巻)の奥付を見ると、発行1986年5月25日、28刷1993年2月10日となっている。ということは今から30年以上も前。この旅行記に出てくる街の名前を世界地図帳で確認しながら、一緒に旅をしているかのよう…
朝カフェ読書は日々の暮らしの中の小さな幸せ ■ 週に2回、朝のスタバで本を読む。10年以上も前から続けている習慣だ。今日(6日)は少し遅くなって、10時ころから1時間半ほど午前カフェ。松本笹部店で『前方後円墳』下垣仁志(吉川弘文館2025年)を読んだ。…
建築を服に見立てる ■ 『建築を見る技術』坂牛 卓(晶文社2025年)を読んだ。『前方後円墳』下垣仁志(晶文社2025年)を読み進めていたが、中断して。本書を5月31日付朝日新聞書評欄で作曲家の望月 京(みさと)さんが取り上げていた。望月さんは**建築を…
■ 2冊減って2冊増え・・・。積読状態がなかなか解消しない。きれいに並べて撮ったが積読状態の写真は積み上げた状態を撮らないと不自然だと、気がついた。がそのまま載せる。積読状態が解消されるまで、本を買うのを控えようと思っていたが、今日(1日)久し…
『中野本町の家』後藤暢子他 設計者 伊東豊雄(住まいの図書館出版局 住まい学体系090 1998年1月20日第1刷、2005年3月31日第3刷)■ この本の再読のきっかけは、高校の同級生・IT君から届いたメールだった。メールには最近読んだという『中野本町の家』の感想…
『孤高の巨人が遺したもの 會津八一、信州の足跡』青柳直良(龍鳳書房2004年)を読み終えた。 長野県東筑摩郡朝日村の中央公民館の前庭に折口信夫(しのぶ ルビなど不要であろうが、私の備忘のために)の歌碑と會津八一の書碑がある。折口信夫は大正15年から…
■『進化考古学の大冒険』松木武彦(新潮選書2009年)を読み終えた。読書にあまり時間を割けず、日数をだいぶ要した。書名に惹かれ、また、ヒトの心はどう進化してきたのか? という帯に記されたコピーも本書を読む動機付けとなった。簡潔に内容の紹介文を書…
『ディア・ペイシェント 絆のカルテ』南 杏子(幻冬舎文庫2020年1月25日初版)『進化考古学の大冒険』松木武彦(新潮選書2009年)■ 『ディア・ペイシェント』を読み終えた。現役の医師にして作家の南 杏子さんがサスペンスタッチで描く、医療現場の実態。解…
『続・日本軍兵士 帝国陸海軍の現実』吉田 裕(中公新書2025年)『ディア・ペイシェント 絆のカルテ』南 杏子(幻冬舎文庫2020年)■ 『続・日本軍兵士 帝国陸海軍の現実』を読み終えた。感想を一言、「人命軽視」。このことばに尽きる。『日本軍兵士』の続編…
■『藤森照信の特選美術館三昧』藤森照信(TOTO出版2004年)を読んだ。『続・日本軍兵士』吉田 裕(中公新書2025年)を読み始めたけれど、戦場での日本軍兵士の悲惨な状況が綴られた文章を読み続けるのはつらい。それで、本書を先に読むことにした。建築家に…
■『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』吉田 裕(中公新書2017年12月25日初版、2025年2月15日19版)を読んだ。戦争は無残な大量死を引き起こす。『日本軍兵士』はさまざまな史料(巻末に掲載されている参考文献は細かな活字の上下2段組で12頁にも及ぶ)に…
『「脳」整理法』茂木健一郎(ちくま新書2006年6月20日第10刷発行) ■ この本に「繰り返しの美学」にも関わると思われる記述があり興味深かった。 規則性は歓びの感情を引き起こすという見出しの一文。**規則性や秩序によって呼び起こされる感情には、独特…
■『新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国・ヤマト王権』NHKスペシャ取材班(NHK出版新書2025年)を読み終えた。各章の章題を挙げて内容紹介とする。第1章 邪馬台国と古代中国第2章 最新研究で迫る邪馬台国連合第3章 「倭国大乱」と漢王朝の崩壊第4…
■ 今年(2025年)になって、本を何冊も買い求めた。2冊読んで2冊増え、3冊読んで3冊増え・・・、なかなか積読解消が見通せなかった。現在『新・古代史』NHKスペシャル取材班(NHK出版新書2025年)を読んでいるが、読み終えたら、次にどれを読もうかな。『空…
■『歴史をつくるもの 上下』(中央公論新社2006年)を読んだ。 2005年6月から2006年6月までの間に民主党の岡田克也代表(当時)の求めに応じて行われた、党員向けのレクチャー(全14講)をまとめたもの。五百旗頭 真氏のレクチャーが収録されていると、高校…