透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

高過庵

① ② ③■**この人は、学術的な大著をそれに似合った文体でものすかたわら、啓蒙書のスタイルを借りて、荒唐無稽な法螺話をでっちあげたりする。(中略)まともな建築家たち(?)がそれはないだろうというようなルール違反をやりながら、ぬけぬけとそれが「…

カプセル東京

■ 週末東京 その1今回の週末東京の目的のひとつはこの建築、建築家黒川紀章さんの代表作「中銀カプセルタワー」の見学でした。「中銀」はメタボリズムという建築思想、生物学上の新陳代謝という概念を建築や都市に当て嵌める、換言すれば建築や都市を生命現…

豊かな暮らしとは

■ **たくさんの物に囲まれているかどうか・・・、そんなことは豊かさの指標には決してならない、ということをこの写真は表現しているかのようです。** などと陳腐なことを前稿で書いた。 『地球家族 世界30か国のふつうの暮らし』TOTO出版 既にこ…

で、それがどうしたの?

■ この手の新刊は一応チェックする。『新・都市論TOKYO』集英社新書著者のひとりは建築家の隈研吾さん。隈さんといえば六本木のサントリー美術館や吉永小百合さんが出演している薄型テレビのCMに使われている竹の空間(中国は万里の長城の麓のリゾー…

都市の構造を読み解く

■『江戸の大普請 徳川都市計画の詩学』タイモン・スクリーチ/講談社 読了。江戸は京のコピーとして計画されたと著者は指摘する。長い歴史と文化を誇る京。ナンバー2に甘んじていた江戸は富士山、そう不二の山を都市計画に取り込むことによって新たな京とし…

「(仮称)市民交流センター」

■ 市民交流センター(応募案)市民交流センター(最終案)■(仮称)市民交流センターの実施設計が終ったと数日前に新聞が報じていた。模型が塩尻市役所向かいの総合文化センターのホールに展示されていることを知って、早速行ってみた。この審査は一般公開さ…

「乳と卵」

アルコールな夜。川上未映子さんの「わたくし率イン歯ー、または世界」は前回の芥川賞の候補作品となった。が、受賞を逃している。今回、川上さんは二作目の「乳と卵」でめでたく受賞した。 前回の選評で黒井千次さんは**次作への期待を抱かせる力量を備え…

「江戸の大普請」

■ 新聞の読書欄に取り上げられていた本『江戸の大普請』タイモン・スクリーチ/講談社。徳川の治世を安定させるためには京のもつ聖地としての霊気(アウラ)を江戸に取り込む必要があって、さまざまな京の写しが試みられたが、しょせん二番手にすぎず、文化…

システムとして考える

■ ロバストネス フラジリティ トレードオフ キーワードはこの3つのカタカナ言葉。それぞれ次のように説明されている。ロバストネス システムが、いろいろな擾乱(じょうらん)に対してその機能を維持する能力フラジリティ 脆弱性トレードオフ 一方を増やす…

「再生巨流」 今年最初の読了本

■ 昨年末に読み始めた『再生巨流』を読み終えた。今年最初の読了本。京都日帰り行に連れて行った文庫。この作家の作品の魅力は大胆かつ緻密な構想だが、この作品も例外ではなかった。左遷人事を受けた主人公が物流の世界に画期的なシステムを導入するまでの…

銀閣寺

■ 南禅寺から哲学の道をひたすら歩いて銀閣寺へ総門の正面は緑のアイストップ、参道が右に伸びている。銀閣へのアプローチの演出 印象に残る空間 参道の先にある中門を出ると唐突に銀閣が全貌を現す。向月台と銀沙灘、銀閣寺型の手水鉢と敷石。どれも幾何学…

「自治体格差が国を滅ぼす」

■ 『自治体格差が国を滅ぼす』田村秀/集英社新書 年末年始の休みに読もうと購入した4冊のうちの1冊、年末に読了。集英社新書は九つにジャンル分けされているが、この本はBの社会に分類されている。因みにAは政治・経済、Cは哲学・思想、Dが歴史・地理…

おめでとう 2008

あ『アフターダーク』村上春樹/講談社文庫け『建築家捜し』磯崎新/岩波現代文庫ま『幕の内弁当の美学』榮久庵憲司/朝日文庫し『思春期をめぐる冒険』岩宮恵子/新潮文庫て『てのひらの闇』藤原伊織/文春文庫お『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎/新潮文…