透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ブックレビュー 2023.04

360■ 時の経つのは実に早い。明日から5月。少年老い易く学成り難し、実感。趣味を問われれば前々から読書と答えていた。だが、私にとって読書は食事と同様に生活の基本的な営みだから趣味とは言えないが、世間では読書は趣味ということになっているので、そ…

見方が変われば写真も変わる

①②(再)塩尻市洗馬岩垂 3柱66型トラス脚 2023.04.29 ■ 以前は②のような写真を撮ることが多く、①のような写真はあまり撮らなかった。火の見櫓の立っている「場所」に注目すると①のような写真を、形や構造(成り立ち)に注目すると②のような写真を撮ることに…

「平安女子の楽しい!生活」を読んだ

360■『平安女子の楽しい!生活』川村裕子(岩波ジュニア新書2014年発行、2022年第16刷)を読んだ。ジュニア新書だから主な読者層は中高生。この新書の帯に**“ちょっと深く”がちょうどいい!**とある。そう、ぼくはいつもこう思って新書を読んでいる。広…

3松本市入山辺の火の見櫓

1464 松本市入山辺追倉 3柱86型ロング三角脚 2023.04.27 ■ 多元的にものを見る。火の見櫓を常に分析的に見るのではなく、時には火の見櫓の立っている場所に注目してみる。すると写真の撮り方も変わる。火の見櫓の全形をきっちり捉えるのではなく、場所を分か…

2松本市入山辺の火の見櫓

(再)松本市入山辺(JA松本ハイランド 入山辺地域交流センター前)2023.04.27 ■ 『火の見櫓暮情』内藤昌康(春夏秋冬叢書2008年)に掲載されている火の見櫓の写真を見ていて、「そうか何も常に全形を写す必要なんてないんだ」と思った。掲載写真には消防倉…

1松本市入山辺の火の見櫓

(再)松本市入山辺上手町 2023.04.27

「火の見櫓暮情」再び

360■ 『火の見櫓暮情』内藤昌康(春夏秋冬叢書2008年)を昨日(26日)読んだ。この本を初めて読んだのは2010年の5月、火の見櫓めぐりを始めた直後だった。ブログで確認すると、その後、2014年の2月と2020年の1月に読んでいる。今回が4回目ということになる。…

『「黒い雨」訴訟』を読んだ

360■ 1945年(昭和20年)8月6日朝8時15分、広島に原爆が投下された。その直後に降った「黒い雨」。放射線を帯びた黒い雨に遭い、多くの人たちが被ばくした。なぜ国は深刻な健康被害に苦しむ人々を長年救済してこなかったのか・・・。『「黒い雨」訴訟』小山…

鄙里の春

鄙里の春 火の見櫓のある風景を描く 濃くなった木々の緑長野県朝日村にて 2023.04.24

「火の見櫓は残った」

■ 長野県朝日村の旧役場庁舎が解体されること、それに伴って庁舎前に立っている火の見櫓も解体撤去されることを聞いていた。「古い建物のない街は思い出のない人間と同じだ」という東山魁夷のことばがある。村の戦前からの記憶を留める役場庁舎が解体される…

なぜこのような状態で?

①(再)塩尻市洗馬元町 3柱6〇型ショートアーチ脚 2017.12.16②■ 3月31日に①の火の見櫓が②のような中途半端な解体状態で残されているのを見た。解体工事に要する時間は通常2,3時間だから、解体途中でこのように残したことには何か事情があったのだろう、と思…

火の見櫓2,000稿

■ 2010年5月に火の見櫓めぐりを始めたのと同時にその時既に始めていたブログへの掲載も始めた(過去ログ)。稿を重ねて本稿がちょうど2,000稿目となった。我ながら毎回同じようなことを飽きもせずに書き続けてきたものだと思う。毎日一定人数の方が閲覧して…

「沿線風景」原 武史

360■『沿線風景』原 武史(講談社文庫2013年)を読み終えた。この文庫本は今月(4月)15日に松本市島立の亀田屋酒造店で開催された「本の蔵1885 お座敷一箱古本市」で買い求めた。まえがきによると、この本に収録されているエッセイは「週刊現代」の『リレー…

「マニア流! まちを楽しむ「別視点」入門」

■ 「目の付けどころが、シャープでしょ。」1990年から始まったシャープのコピー。これに倣えば「目の付けどころが、ユニークでしょ。」となるだろうか。『マニア流! まちを楽しむ「別視点」入門』合同会社別視点編(学芸出版社2023年)にはユニークな視点で…

火の見櫓のある風景

辰野町横川にて 2023.04.09■ 課題の多いスケッチですが、せっかく描いたので載せます。線描に頼りすぎるのはどうもダメです。特に遠景の山は。単調な彩色に工夫が必要です。とは言うものの気に入っています。 このスケッチのような道路の遠近感に頼る道路山…

松本市島立の彩色道祖神

■「本の蔵1885 お座敷一箱古本市」が松本市島立の亀田屋酒造店の母屋で今月15日に開催された。午前10時ころ出かけた。1885って何? 会場で受け取ったチラシによると、会場の古民家の建設された1885年に因んでいるとのこと。ダイナミックな吹き抜け空間に目を…

「東京、はじまる」追記

『剛心』木内 昇(集英社2021年)**百年前、この国の未来を拓こうと闘い続けた建築家がいた。**『帝国ホテル建築物語』植松三十里(PHP文芸文庫2023年)**僕たちは日本人の希望の星を造るんだ**『剛心』は明治の建築家・妻木頼黄(よりなか)を主人…

3 日光 後編

■ 奥宮を参拝して石段を下り、唐門の前まで来た。唐門唐門 奥に本社 神輿舎に納められている神輿 屋根の四隅に付けられている蕨手を撮りたかった。露出の合わせ方が難しい・・・。 陽明門下に並ぶ灯籠 灯籠の屋根にも蕨手が付いているものが多い。本地堂で鳴…

2 日光 前編

■ 今年のToDoリストの「両国の回向院を参拝する」と「日光に行く」が実現できた。14日の早朝、宿泊先から地下鉄を乗り継いで浅草へ。おのぼりさんな私にとって渋谷駅は迷路。案内表示を頼りに副都心線から銀座線に乗り換えた。東武鉄道浅草駅の1階、きっぷ売…

2へザウィック・スタジオ展

■ 両国の回向院を参拝した後、大江戸線で六本木へ移動。六本木ヒルズのカフェで待ち合わせしていた友人とランチして、森タワー52階の東京シティビュー(*1)で開催中の「へザウィック・スタジオ展」へ。展示されているいくつもの斬新な(という形容では僕が…

1 回向院参拝

■ 一昨日(13日)の午前中に東京は両国の回向院をお参りし、午後に現在開催中のふたつの作品展を鑑賞した。この日は都内で一泊して昨日(14日)は日光東照宮を参詣した。本稿以下その記録。 13日はあずさ8号(塩尻発7時18分)で東京へ。新宿で総武線に乗り換…

9富士見町境の火の見梯子

1462 富士見町境 火の見梯子控え柱付 2023.04.12■ 控え柱付きの火の見梯子。上に向かって幅が狭くなっている。計測しなかったが、高さは5mくらいだと思われる(*1)。簡易な火の見梯子だが、てっぺんには風向計付きの避雷針が設置されている。その設置の仕…

8富士見町境の火の見櫓望遠(追記)

(再)富士見町境 4柱4〇型トラス脚 2023.04.12 ■ 車で走行中にこの火の見櫓が見えてきたが、その時この火の見櫓は以前見ているな、と思った。こんなに遠くから見るのは初めてだったのに、なんとなく。調べると確かに既に見ている火の見櫓だった(過去ログ)…

6富士見町境の火の見櫓

1461 富士見町境 4柱6〇型トラス脚 20230004.12■ 南信地域では4柱44型が最も多く、全体のおよそ6割6分を占める。この火の見櫓のような4柱6〇型はごく少数だ。やはり組合せとしては柱が4本で屋根と見張台が4角形という組合せ、4柱44型が見た目にもしっくりく…

4火の見櫓のある風景

(再)富士見町境 4柱44型トラス脚 2023.04.12好いなぁ、この風景。スケッチしたいと思わせる。これからは火の見櫓巡りをする時スケッチブックを持参しよう。今までなぜそうしてこなかったのか・・・。

2富士見町富士見の火の見櫓

(再)富士見町富士見 松目集落センター向かい 3柱66型トラス脚 2023.04.12■ 現在立っている火の見櫓が最も多く建てられたのは昭和30年代前半のこと。戦前から立っていた火の見櫓を戦時中に解体、金属供出したために、戦後新たに建てたという事情による。従…

1富士見町富士見の火の見櫓

■ 諏訪地域の火の見櫓巡り(ヤグ活)を今月12日にした。 1460 富士見町富士見 4柱44型トラス脚 2023.04.12 栗生集落センターの近くに立っている。1961年(昭和36年)12月25日竣工屋根の軒の反りがこのくらいだと和風だと感じる。火の見櫓の真下が防火水槽に…

渦巻きの意味

①②朝日村歴史民俗資料館にて■ 長野県朝日村には縄文時代の遺跡が複数あります。それらの代表・熊久保遺跡で出土した縄文時代中期の土器には唐草文が施されています。生命再生の願いを蔓草の生命力に託したのではないか、と想像します。 ③ ④茅野市尖石縄文考…

火の見と桜のある風景

■ 上伊那郡辰野町を流れる横川川の上流域に位置する上島・横川両地域で桜と火の見櫓のコラボ写真を撮りました。辰野町横川 川岸小学校の近く 2023.04.09シダレザクラがまだ咲いていませんでした(4月9日現在)。もう一度訪れることになるかもしれません。 辰…

鄙里の春

■ 朝日村の最奥部の鉢盛山は村のシンボル。この山を分水界が通っていて、村側に降る雨は鎖川となって村の中央部を流れ下り、最後は信濃川から日本海へ注いでいる。鎖川沿いに桜並木があるけれど、大半の桜は未だ咲いていない(4月8日現在)。やはり川の冷却…