透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

雨の休日

■ 雨の日曜日、肌寒い朝。先日までの厳しい残暑がうそのよう。「赤」でデビューした雑誌yomyom、今回は「紫」。写真の色の再現性がよくない、実際はもっと赤味がかった色。川上弘美の短篇だけで680円払ってもいい。山本文緒、角田光代、阿川佐和子、恩田…

生活雑記

■ プロ野球、ペナントレースも終盤。阪神タイガースは怒涛の10連勝の後まさかまさかの8連敗(9/27現在)。 優勝の可能性が無くなった。作家の小川洋子は大のタイガースファンだそうで、球場に足を運ぶこともあるらしい。『博士の愛した数式』には江夏…

「光抱く友よ」

■ 芥川賞の選考委員を務める作家のうち、高樹のぶ子さんの作品は読んだことがなかった。20年以上も前に芥川賞を受賞した『光抱く友よ』新潮文庫をようやく読み終えた。優等生の相馬涼子とアル中の母親と暮らす「不良」の松尾勝美、二人の女子高生の友情物…

音楽を「考える」

私の乏しいクラシック体験。ストラヴィンスキーの「火の鳥」を新宿の厚生年金ホールで昔聴いて感動したことを覚えています。読売日響、指揮者は忘れました。 早速レコードを買って聴いてみたのですが、さっぱりダメでした。やはり演奏は一期一会というか「一…

オリジナルな寸法体系

■「ル・コルビュジエ展」のショップでポストカードを2枚買い求めました。下のカードにはコルビュジエが考案した有名な寸法体系「モデュロール」が表現されています。身長が183cm、長身の男がバルタン星人のような腕を上に伸ばしています。その高さが2…

心の深層を知る

■ アートな週末東京 2東京の街を一望する超高層ビル上階のレストランで友人と食事を済ませたあと、東京オペラシティの1階で行なわれたトークサロンに参加した。テーマは「建築と心理学をつなぐ」。建築家の連健夫さんは設計の際、発注者にコラージュ(切り…

「忘却の河」

■ 「私は昔ギリシャ神話を読んで、うろ覚えに忘却の河というのがあったのを覚えている。三途の河のようなものだろう、死者がそこを渡り、その水を飲み、生きていた頃の記憶をすべて忘れ去ると言われているものだ。しかし私にとって、忘却の河とはこの掘割の…

「大好きな本」

■『大好きな本』 ときどきチェックする川上弘美さんのファンサイトに新刊のこの本が紹介されていた。朝日、読売両紙に掲載された書評をまとめた本。どんな本を取り上げているのか興味がある。早速書店で探してみよう。今夜はこの辺で切り上げて『忘却の河』…

「忘却の河」

■『日本の景観 ふるさとの原型』を読み終えて、新潮文庫で復刊された福永武彦の『忘却の河』を読み始めた。前にも書いたが、この本の帯には「人生で二度読む本」とある。この小説を写真左の文庫で読んだのが1981年の9月、あれからもう26年か。いつか再読した…

風の盆

■『風の盆恋歌』高橋治/新潮文庫を探していて、村上春樹していたとき(って、変な表現)に見つからなかった『ノルウェイの森』が見つかりました。書棚が既に満杯で全ての背表紙を見ることができる状態ではないので、手前の本に隠れた奥の本を探すのは困難な…

「日本の景観」を読んで

■『日本の景観 ふるさとの原型』樋口忠彦 単行本(左)で読んだのが1981年、今回文庫本(ちくま文芸文庫)で26年ぶりに再読した。**広がりのあるところでは背後によるところがないと落ち着かないものである。背後によるところがある場所は、人間に心理的…

高山日帰りの記

■ 昨日は台風9号の影響で断続的に雨が降り続いたが、高山まで車で出かけた。市内でM邸を見学することができた(外観だけではあったが)。この「方形の家」は建築家吉島忠男さんの代表作。建築関係の雑誌で紹介され、図面は木構造のテキストに掲載されてい…

「冬の水練」再読

■ 南木佳士の作品では映画化された『阿弥陀堂だより』と芥川賞受賞作の『ダイヤモンドダスト』がよく知られていると思う。この作家の作品は文庫になる度に買い求めて読んできた。先日書店の文春文庫のコーナーで『冬の水練』を手にした。この作家は身辺に題…

擬態 その2

■ 擬態 その2を書こうと思うが、考えがまとまっているわけではない。「透明」とは存在を隠蔽する究極的な状態なわけだが、少しその概念を広義に捉えて、「周辺環境、自然と連続的に繋がる状態」としてもいいのかも知れない。建築というリアルなモノに「透明…

ブックレビュー 2007.08

■ 8月にこのブログに登場した本たちのレビュー。1枚の写真をトリミングして2枚に分けて並べた。9月。読書の秋、今月はどんな本と出合うのだろう・・・。とりあえず、先日復刊された『忘却の河』福永武彦を再読しよう。この本の帯を先日アップしたが、「…

「逃亡くそたわけ」

■ 芥川賞受賞作『沖で待つ』で恋人でも友人でもない男女の関係を描いた絲山秋子。彼女の作品、今回は講談社文庫に収録された『逃亡くそたわけ』。この作品に登場する21歳のあたしと24歳の男「なごやん」も恋人でも友人でもない関係。福岡の精神病院を抜…

白から赤への足跡

■ **新しい時代にふさわしい建築のあり方を模索していた。その具体的な解答がこうした「白い箱型」だった。軽やかで、存在感が希薄な、無装飾の、輪郭のみが目立つ姿。(中略)「白い直方体」と「透明な直方体」が重なり合った姿だということもできる。*…

透明という幻想

■ 存在の曖昧な建築、インクの染みのように境界の曖昧な建築・・・。諏訪湖のほとりで少年時代を過ごした伊東豊雄が目指した曖昧な建築は諏訪湖にかかる靄を具現化しようとしたものだった。それが幻想であることを「せんだい」で溶接工が鉄と格闘するところ…