透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

木質バイオマス

■「バイオマス」というと最近まで家畜の排泄物や食品廃棄物(生ゴミ)から発生するメタンガスを利用して熱や電気エネルギーを供給するシステム、と理解していた。しかし実はもっと対象のひろい「生物資源」全体をさす概念であることを知った。今までの不明を…

「春宵十話」 岡潔

光文社文庫はほとんど手元にない、光文社新書はときどき読むのだが。先日書店でこの本が平積みされているのを目にした。岡潔、何で今ごろ文庫に?と思いつつ手にした。1963年に毎日新聞社から単行本が出版されているようだ。この有名な数学者の専門の「…

ちくま文庫2冊

本日ちくま文庫2冊購入。『クラウド・コレクター』クラフトエヴィング商会友人がメールで紹介してくれた本。但し友人はたぶん単行本を読んだと思う。以前『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎/新潮文庫も紹介してもらった。どちらも紹介されなければまず手にす…

ブックレビュー 2006.10

今回の20冊、建築関係の本と小説が並んだ。パソコンに取り込んだときには、比較的鮮明な写真だったのに、ここにアップしたら不鮮明になってしまった。なぜだろう・・・

壮大な自分史

写真を差し替えたしばらく前の新聞の文化欄に載った記事。黒川紀章氏の代表作品のひとつ「中銀カプセルタワー」が取り壊されるかもしれない、と報じている。メタボリズムという建築思想を氏はこのビルで具現化して見せた。これ程までに明確にこの思想を建築…

アルゴリズムが創る建築

松本市内の老舗の書店に電話で注文しておいた本が今日勤務先に届いた(写真)。パンフレットは黒川紀章の全18巻!の著作集、全巻セットで105,000円。毎月1巻ずつ刊行されるなら(約6,000円/月)、購入してもいいなと思うが全巻まとめてとなるとちょっと手…

フェイルセイフな設計

○ 安曇野ちひろ美術館○ 安曇野ちひろ美術館外観○ 谷樋の詳細上の写真は以前載せましたが、今回再度載せます。下の写真は工事中に見学した際、撮ったものです(当時のプリントを接写しました)。どの部分の写真かは分かりますね。屋根と屋根の間の谷樋、上の…

民家、遠い昔の記録

民家 昔の記録 1980.07.22いままで、昔撮った民家の写真を何回か載せました。民家は地元産の材料を使って地元の人たちの手で造るというのが基本的な姿です。白川郷の合掌造りの民家の大屋根の葺き替えに(「結」という助け合いの組織によって)地元の人たち…

分散コアシステム

「新建築」6704(1967年4月号)より■ 先日行なわれた、塩尻市の「市民交流センター」の公開審査については既に書いた。一次審査を通過した5案の内、2案がいわゆる「分散コアシステム」を採用していた。構造システムとしてだけでなく、空間的にもコアに重要…

「冬の水練」 南木佳士

文春文庫の今月の新刊広告に南木佳士の名前を見つけた。南木さんの本はとにかく読む。 うつという心の病を抱えながら静かに暮らしている著者が、休日の早朝、暗いうちから起き出して、書き溜めたというエッセイが収録されている。一冊にまとまる分量になるま…

通し番号

○ 朝日新書創刊の広告 今朝の朝日新聞 (061013)写真の通り、見開き2ページのカラー広告。自社の新書創刊の広告だから別にいいけれど・・・。右の写真の下に「001」と番号が付いているのが分かる。これは刊行順に付けられる通し番号だ。今回12冊刊行…

大仙院の庭

月刊「カーサ ブルータス」特別号 06年9月号■ 記憶の片隅にあってずっと気になっていた、どこの庭だったかなと。書店で立ち読みした雑誌に偶然この庭を見つけたときはビックリした。記憶とぴったり符合した瞬間だった。急流を下る舟を見たとき、あ、これ…

「ハヅキさんのこと」 川上弘美

『ハヅキさんのこと』川上弘美/講談社 川上さんはこの本のあとがきにこう書いている。**ちかごろ、原稿用紙にして十枚前後の、短篇、というには少々短い長さの小説をしばしば書くようになった、(後略)**この本にはそのような小編が何編か納められてい…

市民交流センター審査 傍聴記

昨日の原稿を加筆修正しました。改めてお読み下さい。 ■ 塩尻の「市民交流センター」の2次審査が昨日(10/07)の午後1時から公開で行なわれた。各案のプレゼンテーションと質疑応答がまず行なわれ、その後提案者全員と審査員全員との間で質疑応答が繰り返…

市民交流センターの計画案を解く

■ 昨日行なわれた「市民交流センター」について一次審査を通過した5案のうち4案の印象がよく似ていたことは既に書いた。ネットでちょっと探偵してみた。建築設計事務所を主宰している方々ならば検索すればヒットするはずだ。敢えて名前は記さない。そうか…

市民交流センター審査 傍聴記 2

○ 公開された記名投票の結果(061007)■ 敷地に模型をセットしてプレゼンが行なわれた。 塩尻市の「市民交流センター」の2次審査は、既に書いたように5案についてプレゼンテーションのあとの質疑応答を経て審査員の投票が行なわれた。1回目は6人の審査員…

絵は謎に満ちている フェルメール

左:オランダの画家フェルメールの全作品を欧米の美術館に訪ねる右:2004年東京都美術館で開催された絵画展、フェルメールの「絵画芸術」が公開された。このチケットではタイトルが「画家のアトリエ」となっている。■ フェルメールは人気のある画家だ。…

もう半年近く経ちました

**今朝のNHKの「新日曜美術館」は画家の藤田嗣治の特集だった。ゲストは評論家の立花隆さん。立花さんのオフィスの外壁にはネコの顔が描かれている。そして、藤田もよくネコを描いた。現在、竹橋の国立近代美術館で生誕120年の展覧会が開催されている。…

「木精」 北杜夫

■ 先日、東京へ日帰りで出張した。私には車中は最適な読書空間。『木精(こだま)』北杜夫/新潮文庫を持参した。往路の3時間に加えて、セミナーの休憩時間で読了した。再読することはあまりないが、この小説と『幽霊』だけは繰り返し読んできた。81年、9…