2020-01-01から1年間の記事一覧
320■『みすゞと雅輔』松本侑子(新潮文庫2020年)は500ページを超える長編伝記小説だから、年越し本になるだろうと思っていたが、読み終えてしまった。それで昨日(26日)年越し本を求めて長野道安曇野インター前のスワンガーデンにある平安堂あづみ野店まで…
■ 世界を覆い尽くしたコロナ禍、その影響は広く個々人の生活にまで及んでいるが、私の火の見櫓の広報活動にも影響が出た。□ 4月12日(日)に実施される予定だった「BOOK×TRAIN 走る!しましま本店」、各地から10組+αの本屋さんが集まり、おすすめの本300冊余…
■ 今年も残すところあと6日、本当に時の経つのは早い。読んだ本の中から、今年2020年の3冊を選んだ。 『桃太郎は盗人なのか?』倉持よつば(新日本出版社2019年) 倉持よつばさんが小学5年生のときに「図書館を使った調べる学習コンクール」で文部科学大臣賞…
320■ コロナ禍が全世界を覆い尽くしてしまった。年末年始は巣ごもり読書で過ごそう。12月のブックレビュー、読了本は新書4冊、文庫3冊。 『近代建築で読み解く日本』岩田秀全(祥伝社新書2020年)建築に表された時代、建築という視点から近代日本の歩みを読…
360■ 『みすゞと雅輔』松本侑子(新潮文庫2020年)を読み始めた。今年の11月8日に塩尻のえんぱーくで行われた松本侑子さんの講演の際、この本のことを知り、是非読みたいと思っていた。講演を聴いて松本さんの取材の凄さに驚いた。この小説を書くために行わ…
320■ 写真には複数の写真を組み合わせて観る人にテーマを伝える「組み写真」という表現手法があるが、浅田次郎の『おもかげ』(講談社文庫2020年)を読んで、これは「組み小説」だなと思った。私が読み取ったテーマは母、そして母の愛。 定年退職して送別会…
■ ワークライフバランスということばのワークは仕事、ライフはワークの対義語として生活と訳されることが一般的で、それぞれの時間のバランスと解してよいようだが、ライフ・生活は曖昧で具体的にどのようなことを意味しているのか、分かりにくい。仕事の対…
■ 日常の中で非日常なひと時を過ごすつもりで始めた朝カフェ読書だったが、週2回のペースの今ではすっかり日常、となった。今朝(17日)は「ホットのショートをマグカップで」とオーダーした。馴染みの店員さんではなかったから。2階のいつもの席に着き、店…
■ 以下、2018年7月の記事にいただいたコメントへの私の応答。小説は思考の実況中継と言った作家がいるそうですが(町田康でしたか)、ブログ然りでしょう。知性と感性をさらけ出す覚悟がないと書けません。かなり前、蔵書目録作成を試みたことがありましたが…
■ 今月(12月)の読書は新書が4冊続いたから次は小説を読もうと思い、書棚から安部公房の『砂の女』(新潮文庫1981年2月発行)を取り出して読み始めた。320『砂の女』の初読は1981年の3月。このブログの過去ログを調べて2008年12月にも読んでいたことが分か…
320■ 『実践 自分で調べる技術』宮内泰介・上田昌文(岩波新書2020年10月20日第1刷発行)。書名の通り、この本は知りたいことを自分で調べるための方法を具体的に紹介している。ただし国会図書館のデータベースを調べる方法を詳細に説明するなど、大学生や大…
■ 長野県朝日村の消防団は分団が第一から第五まである。その内、第一分団の詰所はもう何年も前に改築された。第二、第三、第四各分団の詰所は既に改修工事が済んでいる。現在第五分団の詰所の移転改築工事が行われているが、外構工事を残して詰所本体は完成…
■ 今日(9日)、朝カフェ読書で読む本を選ぶために少し早めに家を出た。TSUTAYA北松本店の新書と文庫のコーナーで探す。24時間営業はありがたい。『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』松岡正剛(講談社現代新書2020年第5刷発行)を買い求め…
320■ 『はやぶさ2 最強ミッションの真実』津田雄一(NHK出版新書2020年11月10日第1刷発行)を読み終えた。本の帯の写真は小惑星リュウグウの表面。一番明るいところの黒点は降下中の「はやぶさ2」の機影。 「着陸可能な領域は一つもありません」はやぶさ2の…
■ 今日(5日)朝カフェ読書で読み始めたのは『はやぶさ2 最強ミッションの真実』津田雄一(NHK出版新書2020年第1刷発行)。5日の午後にはやぶさ2から投下されたカプセルは6日の早朝オーストラリア大陸のウーメラ砂漠に緩降下する予定だから、この本を読むな…
■ 日本の近代建築に関する教科書的な新書を挙げよと言われれば私は藤森照信さんの『日本の近代建築』岩波新書を挙げる。今日(1日)、朝カフェで読み始めた『近代建築で読み解く日本』祝田秀全(祥伝社新書2020年初版第1刷発行)も日本の近代建築の教科書的…
(再)松本市今井(上新田公民館) 撮影日2020.11.29 ■ 紅葉シーズンも終わり、郊外の集落ではたわわに実る柿の鮮やかな橙色だけが無彩色の風景の中によく映えている。橙色のドットは草間彌生の絵画が出現したかのよう。この季節限定の風景。
諏訪大社上社前宮拝殿 撮影日2020.11.26茅野市のカラーマンホール蓋 諏訪大社上社前宮の近くにて 撮影日2020.11.26幕の内弁当的マンホール蓋の中身は以下の通り。・中央に小さく配した「市章」・国宝土偶「縄文のビーナス」と「仮面のビーナス」・「八ヶ岳」…
■ 11月の読了本は7冊。『巨人たちの星』ジェイムズ・P ・ホーガン(創元SF文庫2017年46版)第一作『星を継ぐもの』と第二作『ガニメデの優しい巨人』に続く作品。この三部作に続く『内なる宇宙』も創元SF文庫に収録されているから、いつか読みたい。『…
1265 茅野市宮川高部 (高部公民館) 3脚無3変形 撮影日2020.11.26半鐘を吊り下げるのは上の写真に写っている貫通柱ではなく、反対側(西側)の柱。■ 建設中の高部公民館の東隣に茅野市消防団宮川分団の屯所があり、そこに火の見櫓が立っていた。ここは「神…
■ 建築史家であり建築家でもある(いや、今では逆、建築家であり建築史家でもある)藤森照信さんは長野県茅野市の出身で、デビュー作「神長官守矢史料館」は地元宮川高部地区にある。史料館から徒歩で数分のところに「高過庵」と「低過庵」、「空飛ぶ泥舟」…
■ 北 杜夫の『楡家の人びと』(*1)が新潮社から刊行されたのは1964年。この年、北 杜夫37歳。この長編小説も自室の書棚に並ぶのは新潮文庫。『木精』もそうだったが、『楡家の人びと』も単行本を書棚に並べておきたいと思い、一昨日(21日)松本の古書店・…
(再)塩尻市北小野 4脚44型 撮影日2020.11.22 ■ 塩尻市北小野にある両小野中学校のグラウンドの隅に火の見櫓が立っている。学校の敷地内というのは、珍しいかもしれない。以前見ているが(過去ログ)再び観察した。この火の見櫓は全形が整っていて、屋根と…
480■ しばらく前に図書カードで購入した『四国遍路の世界』愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センター編(ちくま新書2020年第1刷)を読む。第1講から第15講まで、15人の研究者が四国遍路についてそれぞれの専門領域で論じていて、多岐にわたる内容が深く掘り…
■ 朝日村社会福祉協議会主催の高齢者ふれあい学習で「火の見櫓の魅力」についてお話させていただく機会を得て、今日(20日)の午後無事開催することができた。雨降りにもかかわらず、会場のマルチメディアセンターには30人もの方々が集まってくださった。中…
■ 再開した「ぼくはこんな本を読んできた」の2回目は理系本を並べてある書棚(*)からで、『情報列島日本の将来』黒川紀章(第三文明社1972年初版発行)。『情報列島日本の将来』は黒川紀章が30代のときに書いた本だが、既にこの本の第一章「二元論からの…
■ 『木精』(新潮文庫)を初めて読んだのは1981年9月のことだった。その後、1996年5月、2000年6月、2006年9月、2012年3月、2015年4月と再読を重ねてきた。これ程繰り返し読んだ作品は他にない。自室の書棚の本を100冊まで、いや10冊まで減冊しても『木精』は…
書棚1書棚2 自室の書棚は減冊効果ですっきり!■ 以前はこの倍の本がここにあり、カオスな状態だった。そのために必要な本を探すことができなかった。今でも新書の大半は単行本の前に並べているが、かなりすっきりして気持ちが良い。 今後の課題は新書の整理…
■ 「ぼくはこんな本を読んできた」というカテゴリーではちょうど100稿になるまで文庫本を取り上げた。自室の書棚を整理したくて今年の5月に1700冊の本を松本市内の古書店に引き取ってもらったが、その大半(1140冊)が文庫本だった。文庫本は単行本に比べて…
■ 『群島の文明と大陸の文明』小倉紀蔵(PHP新書2020年第1版1刷)は「群島の文明は美的であり、大陸の文明は普遍的である」と「日本論の最高傑作」と書かれた帯を見て購入した。「秩序のヨーロッパ 混沌のアジア」というように、ものごとをざっくりと対比的…