透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2009-01-01から1年間の記事一覧

この本で年越し

■『東と西の語る日本の歴史』網野義彦/講談社学術文庫読了。日本は東西で政治も経済もそして文化も違っていた・・・。東西という視点から観る日本通史。植生、動物相の東西の違いに求める石器文化の相違、二万年の昔から近代史の東西相違まで。さて、年越し…

「ゼロの焦点」改稿

■ 松本清張の代表作に私は『点と線』『砂の器』『ゼロの焦点』を挙げます。清張作品の多くがテレビドラマ化、映画化されていますが、これらの作品もテレビドラマにも映画にもなっています。今年は清張生誕100年、先日はNHKで『天城越え』が、民放で『…

屋根のジレンマ

民家 むかしの記録 戸狩にて8008戸狩へは学生のときスキーに出かけたことがあります。北信濃に位置する戸狩は多雪地域です。この写真、もう30年近く前、東北旅行の帰路、寄り道をしたときに撮影したものです。雨や雪を防ぐことと室内の煙を外に出すこと・・…

「東と西の語る日本の歴史」

『東と西の語る日本の歴史』網野善彦/講談社学術文庫久しぶりに書店へ出かけた。古今南北ではなく、古今「東西」なのはなぜだろう・・・、と先日書いた。「東西」を意識しだすと不思議、こんな本が見つかった。普段はチェックしない講談社学術文庫の棚、こ…

空間の「奥性」

■『住まい方の思想』渡辺武信/中公新書 84年初読、88年再読。サブ・タイトルに「私の場をいかにつくるか」とあるように、住宅では私的な領域がいかに大切か、そしてその領域をつくるにはどうすればよいか、が主に論じられています。映画評論家としても…

今年の3冊 2009

流れる星は生きている 藤原てい/中公文庫生きて故郷まで帰るという強い意志。子どもを死なせてなるものかという執念。あの夏、少年はいた 川口汐子、岩佐寿弥/れんが書房新社淡い恋慕の情を抱きつづけて60年。その相手との奇跡の再会が生んだ本。胎児の…

川上弘美「ハヅキさんのこと」

■ 今朝、久しぶりに書店へ。川上弘美の掌篇小説集『ハヅキさんのこと』が文庫になっていた。川上弘美初の講談社文庫、たぶん。単行本が文庫化されるとき、カバーデザインは変わることが多い。が、この小説は同じだ。どっちがいいかな。変わっていたほうがい…

2009.12に読んだ本プレビュー

■ 今月の読了本は『新・建築入門』隈研吾/ちくま新書のみだった。レビューは省略。来月(早いな、もう師走か)に読む予定の本のプレビュー。『ヒマラヤ世界』向 一陽/中公新書:エベレストの麓では一体どんな暮らしが営まれているんだろう・・・。『「論語…

CAFE VALO

■ CAFE VALO このカフェのデザインについて書く前に藤森照信さんが説いた建築家の「赤派」と「白派」について再度取り上げておきます。「赤派」というのは建築に具象性、ものとしての実在性、要するに素材感をストレートに表現する建築家のこと、対…

青梅の民家

■ 民家 昔の記録 青梅の民家 198003東京の郊外青梅市内で見かけた民家。まず大きさがいいです。漂う日々の暮らしの雰囲気がいいです。「清貧」という言葉が何年か前に流行りました。そんな暮らしぶりが伺えます。もう30年近く前の撮影ですから、プライバシ…

街並みの魅力って・・・

■ 民家 昔の記録 佃島 観察日820429狭い路地だが、共有空間として機能している。一見雑然としているが、生活感がにじみ出ていてなんとも好ましい。以上、当時の記録を転載。僕にとって街並みの魅力ってこういうことなのかもしれない。生活感の乏しい映画のセ…

「日常」と「非日常」とを結ぶ空間の演出

茅野市民館:古谷誠章JR茅野駅に直結する複合施設。この計画のポイントは駅という「日常」と美術館やホールという「非日常」を結ぶこの空間。緩やかなスロープに添って図書スペースが配置されている。プロポーザルではこの空間が評価されたという。 根津美…

まちの総体としての魅力は何によって決まるのか

■ マップラバーとマップヘイター、分子生物学者の福岡伸一さんが「建築雑誌」の今年の9月号に寄稿したコラムによると世の中の人間はこのふたつに分類できるということだ。マップラバー、すなわち地図好きとは俯瞰的な全体像を把握したからでないと行動を始…

民家 昔の記録

栃木の民家 800615撮影お茶屋さんの看板。今、こんな立派な看板をつくろうという店主がいるかどうか・・・。

隙間時間読書

■ このところ多忙で読書をする隙間時間がなかなか無い。今月はまだ読了本が1冊も無い・・・。過日東京した際、買い求めた『新・建築入門』ちくま新書。 西洋建築史に関するベーシックな知識は欠かせない。隈研吾氏設計の根津美術館や展覧会を観たあと、同氏…

晩秋の郡上八幡をゆく

■ 町なかを川が流れていること、町を一望できる小高い場所があること、このふたつは魅力的な町に欠かせない条件だと思う。松本は町なかを女鳥羽川が流れ、城山からは市内を一望できる。そして、昨日(14日)訪ねた郡上八幡も町なかを吉田川と小駄良川が流…

週末東京 その5

■「いせ源」@神田須田町三菱一号館を後に地下鉄で移動。神田の「いせ源」の建物は昭和5年の建築、この東京都選定歴史的建造物であんこう鍋を食す。美味。あんこう鍋と少量のビールでいい気分。いせ源の近くのカフェ、CHOPIN(クラシック音楽には疎い…

週末東京 その4

■ 三菱一号館@千代田区丸の内三菱一号館の復元プロジェクトの詳細な紹介展示「一丁目倫敦と丸の内スタイル展」を観た。ジョサイア・コンドル設計の三菱一号館は明治27年竣工。日本で最初の近代的なオフィスビルだったが昭和43年に取り壊された。それが…

週末東京 その3

■ 丸の内オアゾの丸善本店、その4階にあるカフェ。都会的で上品でちょっと気取った雰囲気。書店で買い求めた本をここで読む。窓外に目をやると音も無く電車が流れて行く・・・。カールおじさんも時にはこんな空間で過ごす、いいじゃないか。『自然界の秘め…

週末東京 その2

■ 隈研吾展@ギャラリー間週末東京、根津美術館からDragon Fly Cafe、そして乃木坂にあるギャラリー間へ。TOTOのショールームに併設されているギャラリーで隈研吾展を観た。「生命体の生成に倣う」建築デザインのプロセス。そこから導き出される環境に最…

週末東京 その1

■ 根津美術館東京南青山に先月の7日、根津美術館が新装オープンした。隈研吾さん設計のこの美術館を「閉じて開く」というキーワードでざっくりと。「閉じる」敷地の縁に設えた柔らかな竹垣のスクリーン。その端からそっと内側に入ると「露地」がモダンにデ…

ブックレビュー 2009.10

■ 月間ブックレビュー、10月。小説は1冊も読まなかった・・・。『名画の言い分 巨匠たちの迷宮』木村泰司/集英社。集英社って美術関連本の出版が多いのかな? この本でレンブラントの波乱万丈な人生を知る。若い頃から晩年まで繰り返し描いた自画像が載…

続 札幌ドーム

■ 前稿に札幌ドームの構想を設計者の原さんは農具の「箕」から得たと書きました。雑誌で読んだ記憶があるのです。そう書いてからさて、どこに出ていたかな・・・、と気になっていましたが、「GAJAPAN 2001 7-8」に出ていることが、偶然分かり…

血栓とダム

■ 血栓は血流を阻害する血液の塊。ダムは川の流れを阻害する土木構造物。このように一見全く関係など無いと思われる血栓とダムを「流れを阻害する」ものとして共通に捉えることができる。ところで、渋滞と聞いてまず思い浮かぶのは交通渋滞だが、人の流れの…

「日本人と日本文化」

■ 歴史を川の流れに喩えるならば、司馬遼太郎は上空から俯瞰的に源流から河口まで、川の全景を捉えようとした作家だった。それに対して藤沢周平は川岸に立って、流れのディテールを捉えようとした。両作家はよくこのように対比的に捉えられる。司馬遼太郎は…

新富町の大野屋

■ 東京は新富町の町屋。3年半前、06年の4月に銀座から徒歩で10分足らずのところで偶然見かけました。どっしりとした店構え、貫禄があります。今は本当に便利ですね。ネットで検索するといろんな情報を得ることができますから。まず、地名から。新富町…

週末読書は「日本人と日本文化」

■ 司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談を収録した『日本人と日本文化』中公新書。今週末はこの本。ザックリと日本の歴史や文化を捉えての発言、面白そう。NHKのテレビ番組「ブラタモリ」、今回が3回目の放送。タモリがかわいい久保田祐佳アナと街中に残…

明治からの看板

■ 松本の山屋御飴所の屋外看板山屋は創業が寛文12(1672)年、340年(!)近く続いてきた老舗の飴屋さんです。松本には昔から飴屋が多かったそうで、江戸時代には数十件もの飴屋さんあったともいわれているそうです。でも現在では数件しか残ってい…

「科学の目 科学のこころ」

■ ある出版社のアンケートに答えて、図書カードをもらった。で、久しぶりに書店へ。川上弘美の『真鶴』が文庫になって、平積みされていた。手にとってパラパラと頁をめくって元に戻して、新書のコーナーへ。『科学の目 科学のこころ』長谷川眞理子/岩波新書…

「巨匠たちの迷宮 名画の言い分」

■ このところ民家のことばかり書いていました。昔撮った写真などをネタに駄文を重ねてきました。以前、友人から「U1さん、建築の話題は読みませんよ」と言われたことがありました。一度民家モードから離れようと思います。少しは本も取り上げないと、バラン…