透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『道草』を読む

■ 漱石の作品で読んだことのあるものを挙げる、となれば、『坊っちゃん』と『吾輩は猫である』を挙げる人がたぶん多いだろう。続く作品となると『こころ』や『三四郎』、『草枕』あたりか。『道草』や『それから』、『門』、『行人』などの教科書に作品名が…

成熟社会に相応しい施設

■ 『建築ジャーナル』という月刊誌があるが、その2月号(最新号)と1月号に「新国立競技場案を考える」という特集が組まれた。国際コンペの当選案、いや新国立競技場のプログラムそのものに問題ありと指摘する建築家・槇文彦氏の論考「新国立競技場を神宮外…

― 「火の見櫓暮情」

『火の見櫓暮情』 (←クリック)/内藤昌康/春夏秋冬叢書(愛知県豊橋市) ■ この本は2010年の春に買い求めたが、訳あって、いや別に訳など無いが、ずっと手元になかった・・・。で、先日改めて買い求めた。帯に**豊饒な物語の上に火の見櫓は立っていた。…

― 落下防止カゴ

■ 建設現場に設置されたセメントミルクをつくるミニプラント。円筒形のセメントサイロ壁面のタラップを囲むこのネットの名前は・・・。大町市内の火の見櫓でときどき目にする梯子のケージと目的は同じ。だが工事現場で名前を訊いてもはっきりしない。で、結…

458 459 沼市の火の見櫓

458 ■ 先日栃木県に出かける機会があった同僚のY君とT君。ふたりが鹿沼市内の火の見櫓の写真を撮ってきてくれた。火の見櫓の全体像、見張り台から上の様子、そして脚元と、きちんと私が押さえておきたいポイントを撮っているところはさすが(トリミングする…

― 雪の造形

■ 大雪です。我が家の庭で積雪量を測ったら110センチありました(15日9時半現在、8日の積雪分を含む)。長野県内各地で観測史上最多の積雪を観測しています。松本でも2月では過去最多の74センチ(11時現在)とのことです。3角錐の屋根にさらさらした雪が積も…

スクラップ

■ 建築史家の鈴木博之さんの逝去を7日の朝刊で知った。手元に1972年7月28日の毎日新聞に掲載された鈴木さんの論文のスクラップがある。「都市の未来と都市の中の「過去」」と題するこの論文に興味を覚え、スクラップしておいた。40年以上も前のことだから、…

Less is more

■ 『地球家族 世界30か国のふつうの暮らし』 という本があります。初版発行が1994年のTOTO出版の本です。「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせて下さい。」と世界30か国でお願いして撮った写真を載せています。本の表紙(上…

どんな本が残るのだろう・・・

■ 自宅にある数千冊の本を少しずつ減らしていこうと思い始めています。今後5年で2,000冊くらいまでにすることができればいいなと。ただ、これからも読みたい本は買い求めるつもりですし、ブックオフに持ち込むつもりも今のところありませんから、どうなるか…

ブックレビュー 2014.01

■ ここ何ヶ月読書時間が減って、いまや隙間時間でしか本を読まなくなってしまった。で、1月の読了本はこの3冊のみ。『空海の風景 上』 司馬遼太郎/中公文庫 昨年末に再読を始めた上巻を読み終えた。上巻のカバー裏面の本書紹介文に**平安の巨人空海の思…

457 朝日村の古い火の見櫓

457 「大正14年ガソリンポンプ購入放水披露」■ 朝日村の開村100年を記念する冊子を入手した。明治22年に開村した朝日村の100年間の歩みをまとめた20年以上も前の冊子だ。掲載されている何枚かの写真の中にこの写真があった。丸太を組んだ火の見櫓が写ってい…

「空」とは

■ 『般若心経講義』高神覚昇/角川ソフィア文庫 本書の初版発行は昭和27年9月。長年読み継がれてきた本だ。この事実をもって名著としてもいかもしれない。「時」というフィルターは名著だけを残す(なんちゃって)。**仏教の根本思想を一言でいえば「空」…