透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

g 狛犬

口の開閉か、角の有無か

■ 左右対称を好まない日本人の心性。左右対称形で伝わった寺院の伽藍配置をいつの間にか左右非対称に変えてしまった。長安の都市計画も左右対称だったが、それを手本にした平安京の左右対称の構成も次第にくずしてしまった。①②日本最古の本格寺院といわれる…

神殿狛犬 参道狛犬

■ ぼくが持っている『徒然草』(岩波文庫)の奥付を見ると、昭和44年(1969年)6月10日 第52刷発行 となっている。読んだのは随分昔、55,6年も前のことだ。今も忘れずに覚えているのは第109段の高名の木のぼりの「かばかりになりては、飛び降るとも降りなん…

木造の参道狛犬

■ 神殿狛犬は風雨にさらされて傷むことがないので木造が多い。一方、参道に鎮座する参道狛犬は青銅や陶器で造られたものもあるが、大半が石造だ。前稿に書いたように、昨日(22日)岡谷のスカラ座へ「鹿の国」を観に行った。その途中で、偶々この狛犬を見か…

篠ノ井の布制神社の狛犬

■ 篠ノ井駅から見えた火の見櫓に向かう途中に神社があった。鳥居の扁額に「布制神社」とある。拝殿に続く参道に一対の狛犬が見えた。立ち寄って狛犬を観察することにした。まず、拝殿で2礼2拍手1礼。 狛犬と括るが拝殿に向かって右側は獅子、左が狛犬。そう…

駒止稲荷神社の狛犬(追記)

■ 墨田区にある旧安田庭園内に祀られている駒止稲荷神社。この神社のことは知らなかった。刀剣博物館が閉館していたので、予定を変更してこの庭園を散策していて、この社殿とその前に鎮座している狛犬に気がついた。この神社の近くに「駒止石」の説明板が設…

3塚原鎮守神社の狛犬

拝殿の前の階段脇に鎮座する狛犬 なんだか、メカっぽい。特に前脚。ロボット狛犬。右の獅子の頭には何も付いていない。左の狛犬の頭には角ではなく、宝珠が付いている。台座に「昭和十年九月」「工師 上社前北原」と刻字されている。 480神社の案内板この神…

14茅野市宮川 酒室神社の狛犬

480■ 茅野市宮川の酒室神社を再訪した。狛犬をもう一度見たくて。既に書いたことを繰り返します。神社の参道や拝殿前に鎮座する一対の狛犬(参道狛犬)は別々の霊獣で、拝殿に向かって右が獅子、左が狛犬(想像上の動物)です。狛犬は頭に角がある一角獣。こ…

6富士見町の池生神社の狛犬

360■ 富士見町の池生神社。ご祭神の父神は建御名方命、母神は八坂乃。この鳥居の手前にもう1基鳥居があって、長い参道が奥の森に向かって続いている。以前は森の手前の参道の両側は池だったとのこと。池は枯れ、現在は埋め立てられてしまっている。池の中を…

角と宝珠

360『諸職画鑑』北尾政美(鍬形蕙斎)1794年(寛政6年) 国立国会図書館デジタルコレクションより ■ 狛犬。今は両方の像をまとめて狛犬と呼ばれるが、もともと違う霊獣で、向かって右が獅子、左が狛犬だ。本来獅子は口を開いた阿像で角は無く、狛犬は口を閉…

酒室神社の狛犬

■ 神社の参道や拝殿前に鎮座している一対の狛犬は、もともと獅子と狛犬で別々の霊獣だ。違いは口を開けているか、いないか。それから角の有無。下の写真は4月に日光東照宮の表門(裏側)で撮った獅子・狛犬だが、向かって右側が獅子で口を開けている。左側が…

長野市権堂町 秋葉神社の狛犬

350長野市鶴賀権堂町の秋葉神社■ 善光寺から長野駅に向かう途中で権堂商店街に入った。アーケードを進むと、秋葉神社があった。久しぶりに狛犬観察をした。 口を閉じている狛犬(向かって左)と口を開けてる獅子(向かって右)左の狛犬は前を向かず横を向い…

木型

① ②■ 前稿に書いたように17日に塩尻のヤマトインテックという会社を訪ねた。安土桃山時代から連綿と続く鋳物製造を営む会社で玄関ホールに鋳造に必要な木型が展示されていた。かなり大きな狛犬と小ぶりな狛犬の木型もあった。①の木型は有明山神社の狛犬②(過…

生坂村五社宮の狛犬

■ 久しぶりの狛犬。東筑摩郡生坂村下生野の五社宮に古い狛犬がある、ということをしばらく前に地元紙・MGプレスの記事(8月11日付)で知った。先日、所用で近くまで出かけた際、五社宮に立ち寄って観賞した。一般的には向かって右側が口を開けている阿形(あ…

豊丘村大宮神社の狛犬

■ 狛犬を載せるのは久しぶりだ。先日(16日)、飯田方面へ火の見櫓巡りに出かけた際、下伊那郡豊丘村の大宮神社に立ち寄って、この狛犬と出合った。神社の参道などに鎮座している一対の「こまいぬ」、一般的には向かって右の口を開けているのが獅子で、向か…

西日暮里 諏訪神社の狛犬

■ 12日は都内のホテルに宿泊した。翌朝、山手線西日暮里駅近くの諏訪(諏方)神社へ。久しぶりに狛犬を観察した。江戸後期、1809年(文化6年)生まれの狛犬。古い狛犬は総じて彫りがすばらしい。 目や口に色を付けることで顔の印象が変わってしまっている。…

松本狛犬巡り

■ ココブラ 「案内人」と楽しむまち歩きに参加して松本に棲む狛犬たちを観て歩いた。まず向かったのは富士浅間神社の狛犬。地方ごとに狛犬には特徴があって、江戸、浪花、出雲という「狛犬三大文化圏」が勢力を誇っていた、と当日配布された資料にある。松本…

根津神社の狛犬

拝殿の前に鎮座する狛犬(右:阿形の獅子) 背景に紅梅左:吽形の狛犬 背景に白梅 ■ 久しぶりの狛犬観察。整った姿・形の狛犬だ。表情にも迫力がある。 石工 大竹豊吉、井亀 泉 彫建立 大正元年(1912年)

戸隠神社中社の狛犬

そうだ戸隠、行こう。 ■ 急に思い立って戸隠まで出かけてきた。戸隠神社は奥社の杉並木の参道が有名だが、かなりの距離を歩かなければならないことが分かり、偶々車を停めた駐車場近くの中社のみ参拝した。場所すら長野市の郊外ということしか分かっておらず…

旧朝香宮邸の狛犬

■ 東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)では玄関前に鎮座するブロンズ狛犬にも注目する。子連れの狛犬(獅子)玉入りの球形の籠を前脚で押さえる狛犬(吽像)両像の各部位のデザインに特に気がつくような差異はない。

長野県護国神社の狛犬

拝殿を望む 幅の広い参道、階段の上の両側に狛犬が鎮座している。■ 松本市内にある長野県護国神社を始めて訪れた。同社のサイトによると、昭和13年(1938年)に仮殿が創建され、同年に鎮座祭が執り行われた。翌昭和14年に長野県護国神社に改称され、昭和17年…

品川神社の狛犬

創始は1187年(文治3年)に 源頼朝が安房国の洲崎明神(千葉県館山市の洲崎神社)の天比理乃咩命を迎えて海上交通安全と祈願成就を祈ったことだというから古い。1600年(慶長5年)、徳川家康が関ヶ原出陣の際に参拝したという。1868年(明治元年)に明治天皇が…

浅田神社(佐野市)の狛犬

栃木県佐野市馬門町 浅田神社拝殿前の一対の狛犬口を開けた阿像と閉じた吽像が一般的な位置関係とは逆になっている。1795年(寛政7年)の建立、古い狛犬。

鐘鋳神社(棚倉町)の狛犬

■ 鐘鋳(かねい)神社は東白川郡棚倉町一色にある小さな神社。集落内の狭い生活道路に案内看板があることを知り、出かける前にストリートビューで確認していたが、確認したコースを逆方向から向かうことになったので分かりにくかった。が、なんとか迷うこと…

八槻都都古別神社(棚倉町)の狛犬

■ 東白川郡鮫川村の八幡神社から同郡棚倉町の八槻都都古別神社へ。途中、遅めの昼食(食レポは無し)。八槻都都古別(やつきつつこわけ)神社鳥居から朱塗りの随神門に伸びる石畳の参道、その脇に狛犬が鎮座している。 迫力ある木鼻拝殿この狛犬は1840年(天…

鮫川村八幡神社の狛犬

■ 今回の福島県南部・白河地方の狛犬巡りは神社7社の狛犬を見て、その日のうちに茨城県筑西市まで移動するというかなりハードなスケジュールだった。出かける数日前、各神社のある市町村の位置関係を福島県の地図で確認した。行きつ戻りつでは効率が悪いから…

古殿八幡神社の狛犬

1932年(昭和7年)に建立された小林和平51歳の時の作品拝殿本殿この卓越した造形力、デザイン力がまず凄いと思う。加えて彫りの技術が凄いのだから、鬼に金棒、もとい和平に鑿(のみ)。阿像だから口を開けている。この表情はなんとなくユーモラス。子獅子が…

石都々古和気神社(石川町)の狛犬

石川郡石川町下泉の石都々古和気(いわつつこわけ)神社鳥居と長い石段を望遠する。神社は後方の山頂に鎮座。 今出川の対岸にある御仮屋の狛犬 小林和平と大竹俊吉の合作 1939年(昭和14年)建立 オーソドックスな蹲踞の形石段から鳥居を見返る 参道の両脇に…

鹿島神社(白河市東下野)の狛犬

■ 白河市東下野出島坂口の鹿島神社の狛犬も川田神社の狛犬と同じ石工・小松寅吉が59歳、まさに円熟期の作品。とても硬い石を彫ったとは思えない、精緻で流麗な姿・形だ。これは傑作! 寅吉は頑固者であり、技術研鑽に励んだそうだが、確かにこの狛犬を見ると…

川原田天満宮(中島村)の飛翔狛犬

■ 一昨日(11月2日)の午前3時に出発。途中休憩しながら高速道路(*1)を走り、最初の目的地、福島県西白河郡中島村川原田の川原田天満宮(川田神社)に午前8時半過ぎに到着。走行距離395.6km。信州高遠藩出身の石工・小松利平(1804~1888)の弟子で後に…

週末東京5 その4

狛犬5 拝殿前の獅子山の狛犬 向かって右側、阿形の狛犬 力強い後ろ足と大胆な造形の尾 この狛犬を彫った石工は相当な力量の持ち主だったに違いない。 向かって左側の吽形の狛犬には子どもがいる。子どもを見る顔の表情は優しい。尾の表面が欠けているのは残…