透明タペストリー2 

本や火の見櫓、建築などさまざまなものを素材に織り上げるタペストリー

2012-01-01から1年間の記事一覧

ブックレビュー 2012.12

■ 今年最後のブックレビュー 12月の読了本はこの4冊。 『漱石の長襦袢』半藤末利子/文春文庫 夏目漱石の孫で半藤一利さんの奥さんの著者が夏目家の人びとを描く。 『幕末史』半藤一利/新潮文庫 文藝春秋の専務取締役などを経て作家になった半藤さんの本が…

今年の3冊

■ 今年も残すところあと3日となった。今年の読了本から印象に残る3冊を選んだ。『蜩ノ記(ひぐらしのき)』葉室麟 /祥伝社 時代小説はあまり読まないが、この小説には感涙した。過去ログに記したことを再掲することもないだろう・・・。 過去ログ 『コンニ…

「日本人の坐り方」

■ 床に座るという行為(身体技法と著者は言う)から観る日本の文化、社会。正座(端座と著者はいう)が「正しい座」となったのは明治以降のことだという。江戸時代のはじめ頃までは、茶道の正式な座り方は「立で膝」だったそうだ。確かに本書に載っている千…

「美しい日本の私」

■ 春、松本の城山公園に桜が咲くとボクは職員室へ行き、担任のI先生に授業の替わりに桜を観に行きましょうとお願いした。職員室では机を並べる先生が「行ってきましょ」と、一緒にI先生を説得して下さり、花見をしたことを覚えている。今は無くなってしま…

ハラハラドキドキの真実!

**そこへいくと○○は大まかに言って四十歳から五十歳までの十年間に一年に一作、全部で十作ほどの長編小説を書いたが、一つとして同じ文体や同じ作風の小説がない。常に新しい試み・実験をやっている。(後略)**(167頁)さて○○とは一体誰でしょう・・・…

「漱石の長襦袢」を読む

■ 作家・半藤一利氏の12回の特別講座をまとめた『幕末史』。幕末、ペリー来航から明治初期、西郷隆盛の死までの激動の25年間。 歴史に疎いので、例えば道祖神に彫り込まれている建立年(江戸末期が比較的多い)を見てもその頃、この国でどんなことが起きてい…

大法寺三重塔

■ 先日長野県小県郡青木村の大法寺三重塔を訪ねる機会があった。全国に国宝の三重塔が13基あるが、その内の2基が長野県にある。この三重塔と、別所温泉の安楽寺の三重塔(←)だ。手元にあるパンフレットによると、この三重塔は見返りの塔という名前で親しま…

池田町の彩色道祖神

池田町の彩色道祖神花崗岩に彫り込んだ双体道祖神。 風化しやすい石質なのか、いや、私の文字を読みとる能力の無さ故、側面に彫り込んである建立年が読みとれなかった。かなりくずした文字だったが、二文字、安政と読めるようにも思ったが確信はない。道祖神…

目視検査で分かること(加筆)

■ 本稿も笹子トンネルの事故について①コンクリート躯体からテストピースの抜き取る作業の様子②圧縮強度試験機によるテストピースの強度試験の様子コンクリート躯体のテストピースの表面がピンク色しているのは後述のフェノールフタレイン液を吹き付けたから…

ブックレビュー 2012.11

97、98年のダイアリーに貼ってある「読書記録」■ 30年以上も前からダイアリーに仕事や生活の記録をつけていることを先日書いた。ブログを始める前は、読み終えた本を順番に書棚に並べていって3ヶ月ごとに写真を撮ってダイアリーに貼り、手書きの読書記録に…

402 長和町の火の見櫓

402■ 所用で長和町(小県郡の長門町と和田村が合併して誕生した町)へでかけた。役場の近くで火の見櫓を見かけた。細身な櫓で上部のブレースにフラットバーが用いられているのは東信地方の火の見櫓の特徴。方形(ほうぎょう)の屋根の避雷針のくるりんちょな…

― 晩秋

秋のフォトアルバム 火の見櫓の背景に黄葉した落葉松林を配した。長野県朝日村にて 撮影日121125■ 里山の落葉松が黄葉している。 この漢字をあてるのがいいのか、紅葉とすべきか、まあ色からして黄葉でいいだろう・・・。日の当たり具合で木々が黄金色に輝い…

恩師からの贈り物

■ 高卒40周年の記念行事が行われたことは既に書いた。2、3年の時の担任だったI先生は80歳を超えるご高齢にもかかわらず大変お元気で、式典と懇親会にご出席いただいた。当日受付で先生は私に手を差し出して握手を求めて下さった。40年も昔の出来の悪い教え…

― 秋の全国火災予防運動

塩尻市宗賀の火の見櫓撮影日 121113■ 119番 消防署への通報番号に因んで11月9日から15日までの1週間は秋の全国火災予防運動の期間だった。期間中、写真のように広告塔と化した火の見櫓を見かけた。塩尻市宗賀の火の見櫓にも赤いフンドシのような(おっと、こ…

「である」ことと「する」こと

『日本の思想』 丸山真男/岩波新書 ■ この本に収録されている「「である」ことと「する」こと」という論文は確か高校の教科書に載っていた。具体的には書かないでおくが、思うところあって、この論文のみ再読した。1980年の3月に読んで以来32年ぶりの再読だ…

400 401 伊那の火の見櫓

■ 8日、駒ヶ根へは中央道を使わず、国道153号線で行った。もちろん途中で火の見櫓観察をしようという目論見で。また火の見櫓・・・、などと思わないでお付き合いください。1 伊那市福島の火の見櫓。なかなか整ったフォルムだ。脚部の形もよい。 400屋根の骨…

399 そうか、こうなっているのか

399撮影日 121108■ 駒ヶ根市内で所用を済ませての帰路、駒ヶ根インターの近くの北割で見かけた。火の見櫓の後継、防災無線柱とのツーショット。櫓はかなり錆びた状態、そのうち撤去することになるのかもしれない。屋根の骨組みがよく分かる。なるほど、こう…

398 デザインの多様性

398 上伊那郡中川村にて 撮影日121108■ 今日(8日)は所用で駒ヶ根まで出かけた。少し足を延ばして中川村へ。そしてこの火の見櫓に遭遇した。そうか、確かにこれでも機能的に問題は無いな、と納得。火の見櫓を構成する要素はそれほど多くないのに、デザイン…

397 都留市駅前の火の見櫓

397 富士急行線の都留市駅前に立っている火の見櫓 撮影121104■ 今月4日、別荘からの帰路偶然見つけた。駅前広場に車を停め、急いで全形を撮った。4角形の櫓に4角形(方形)の屋根と見張り台。オーソドックスなタイプの火の見櫓。反りのついた屋根に飾りつき…

半藤一利の「幕末史」を読む

■ 『「大発見」の思考法』山中伸弥 益川敏英/文春文庫 読了。ノーベル賞を受賞したふたりの科学者の対談(ただし、対談が行われのは山中氏が受賞する前)。できれば高校生に読んで欲しい。さて、11月の読書、まずは『幕末史』半藤一利/新潮文庫。**黒船…

393~396 山梨の火の見櫓

■ JR大月駅から国道139号線を通って富士河口湖町にあるKG山荘(仮名)へ。途中で見かけた火の見櫓を撮った。本稿では全形写真を載せるに留めておく。所在地は正確に分からないので記載を省略する。山梨県内にも火の見櫓が数多く存在するという印象を受けた。…

392 がに股

山梨県富士吉田市上吉田の火の見櫓 392■ 前稿で書いた通り、先週末(3日)、M教授(大学時代の恩師)とFさんとJR大月駅で待ち合わせ、私の車でKG山荘(仮名)に向かった。途中で火の見櫓を何基か観察したが、1番の感動モノはこの火の見櫓。今まで見た中でも…

391 スレンダーな火の見櫓

391■ 木曽谷は火の見櫓が少ない。先日火の見櫓センサーが働いてこの火の見櫓を見つけることができた。所在地は木曽町日義(旧日義村)。スレンダーな火の見櫓で、梯子が櫓内に収まらなくて外に設置されている。昇降するのがとても怖いと思う。見張り台の大き…

ブックレビュー 2012.10

■ 11月になった。今年も残すところあと2ヶ月・・・。先月の読了本はこの4冊。『夜明けの縁をさ迷う人々』小川洋子/角川文庫小川洋子の小説には海外作品のような雰囲気があるが、この短編集に収められている9編の作品もやはり同様。「曲芸と野球」は曲芸師と…

iPS細胞と素粒子

■ 先週の土曜日(27日)の午後、久しぶりに松本駅近くの丸善へ。「小説モード」をキープしようと文庫本のコーナーで探したが、読みたいと思う小説が見つからなかった。短時間で何冊も見つかるときもあるけれど・・・。で、買い求めたのが前稿の『あの日から…

「あの日からの建築」伊東豊雄

新しい建築の第一歩がここから始まる『あの日からの建築』伊東豊雄/集英社新書■ 伊東さんが東日本大震災の復興プロジェクトを通じて考えた建築家、建築のありよう、あるべき姿について語る。**「伊東さんの建築は軽くて透明感があって都会的なのに、なぜ…

390 そうか、こういうのもあるのか・・・

390■ 北安曇郡池田町会染にある消防団詰所の火の見梯子消防団の詰所は大概2階建てで、1階が消防車庫(倉庫)、2階が団員詰所となっている。この詰所では鉄骨の外階段の手すりに火の見梯子を組み込んでいる。なるほど、こうすれば火災予防週間などの際、半鐘…

― 監視櫓?

■■ この1週間 ブログを休止していましたが、再開します。 信濃毎日新聞 121022付朝刊■ 夕景に浮かぶ火の見櫓の写真が新聞に掲載された。南佐久郡北相木村では「安心・安全カメラ」が村内に26台設置されていて、人を監視しているという。そう、ものは言いよ…

「年の残り」丸谷才一

■ 作家の丸谷才一氏が亡くなったことを14日付の新聞で知った。87歳だったそうだ。丸谷氏の作品は昔文庫で数冊読んだだけではないかな。書棚をざっと見ても単行本は見当たらない。ところで数冊という場合、具体的に何冊くらいなのか、人によって違うようだ。…

「忘却の河」福永武彦

■ 福永武彦の『忘却の河』。今日、何回目かの再読を終えた。**それは裏山の中腹にあった部落の墓地に較べても、あまりに見すぼらしい石の群落にすぎなかった。名前を刻み込んだ石碑などは一つもなかった。僅かに朽ち果てた卒塔婆が幾つか倒れかかっている…