■ 松本の山屋御飴所の屋外看板
山屋は創業が寛文12(1672)年、340年(!)近く続いてきた老舗の飴屋さんです。松本には昔から飴屋が多かったそうで、江戸時代には数十件もの飴屋さんあったともいわれているそうです。でも現在では数件しか残っていないそうで、山屋はその内の1件です(同店のHPを参照しました)。
今回路上観察したのは店の前の看板。

やはり山屋のHPによるとこの看板は明治時代のものだそうです。「御飴製造所」とあります。「御」という文字は屋根の直下で雨が掛かりにくいために比較的はっきりしていますが、一番下の「所」という文字は読みにくいですね。雨が掛かりやすい分傷みやすいですから。
それにしても丁寧に作られています。反りのついた屋根は銅板葺き。垂木(たるき)も当然すべて反っています。傷みやすい垂木の小口は銅板で包んであります。この写真では分かりませんが、柱から持ち出している梁(屋根を支えている持ち出し梁)には彫刻が施されています。看板の下にある腕木を支えている持送りにも彫刻が施してあります。
善光寺の灯ろうや松本市内の高橋家住宅(市内に現存する最も古いとされる武家住宅)を紹介した時にも触れましたが、柱は「根継ぎ」という技によって傷んだ部分が新しい部材に更新されています。
金輪継ぎという釘や金物を全く使わない継手が使われています。柱の角は古い部材に合わせてちょうなはつり(でいいのかな)の面取りがしてあります。
この飴屋さんの歴史を今に伝える貴重な看板です。